Pythonのlistはappendメソッドを使用すると、末尾に要素を追加することができます。例えば、以下のようにlistのメソッドで使用することができます。
また、Pythonのlistにはextend
というメソッドもありました。extend
は引数に配列を指定すると、元のリストに指定した配列の要素がマージされます。
一方で、NumPyにもnp.append
という同じ名前の関数が備わっていますが、その挙動は引数の指定が配列でなければならないという面において、どちらかというとextend
に近いものです。さらに、要素のコピーが発生するので、思ったよりも遅く、混乱しやすいのでコードを読む際にも書く際にも注意が必要になります。
np.append
np.append
は、配列の末尾に要素を追加した新しい配列を生成する関数です。
APIドキュメントは以下のようになっています。
numpy.append(arr, values, axis = None)
params:
パラメータ名 |
型 |
概要 |
arr |
array_like (配列に相当するもの) |
要素を追加される配列を指定します。 |
values |
array_like (配列に相当するもの) |
追加する要素または配列を指定します。 |
axis |
int |
(省略可能)初期値None ここで指定した軸パラメータに沿ってappend 演算を適用します。 |
returns:
要素が追加されたndarrayが返されます。
np.append
の引数には、第一引数として元の配列、第二引数として追加する要素の配列、第三引数に配列として要素を追加する軸パラメータを指定できます。第三引数を指定しないと第一、第二引数で指定された配列のshape
とは関係なく一次元配列が生成されます。
以下のコードで確認してみましょう。
第三引数のaxis
を指定した場合、指定した軸方向に沿って要素が追加されます。追加前の配列と追加後の配列のshape
が一致していないとエラーが発生します。
さらにaxis
の使い方を見ていきます。
速度比較
NumPyのndarrayは多次元配列を扱うことを目的としたクラスで、事前にメモリ確保しています。np.append
関数を使用すると、元のshape
が破壊されてしまうため、要素のコピーが発生して遅くなることがあります。一方で、Pythonのlistは可変長の要素を保持するベクタ型です。少し大きめの要素を事前に確保するので、毎回のコピーは発生しません。
同様のコードを書いて、Pythonのリストと速度比較してみます。
実行速度は、Pythonのlistの方が高速になります。データ構造を意識したコードを心がけると、何倍も高速にすることができ、ソースコードの効率化の見直しになるはずです。