NumPyに実装されている関数には、配列を生成するための様々な関数が存在します。その中でもnp.empty
関数は、値の初期化を行うことなく配列を生成するものです。
本記事では、NumPyのempty関数の使い方を解説します。
np.empty
配列の生成速度が若干高速になることがあるため、値を0や1で初期化する必要のない場合は、np.empty
を使いましょう。
np.empty
のAPIドキュメントは以下の通りです。
np.empty(shape, dtype=float, order=’C’, like=None)
params:
パラメータ名 | 型 | 概要 |
---|---|---|
shape |
int または intのタプル |
生成する配列の形状(shape)を指定します。 |
dtype |
dtype | 省略可能(初期値float) 生成される配列の要素のデータ型(dtype)を指定します。 |
order |
C またはF
|
省略可能(初期値’C’) 配列のデータの保存の仕方を指定します。 |
None |
コレクション | 生成されるオブジェクトを__array_function__ プロトコルを継承しているオブジェクトを指定することができます |
returns:
指定されたshape
を持つ、値が初期化されていない配列(ndarray)が返されます。
np.empty
の引数には、第一引数に生成したい配列の形状(shape)を、第二引数にデータ型(dtype)を、そして最後に配列のデータの保存の仕方を指定します。最後の引数は、Fortranのような順序を指定する場合に使われるもので、あまり使用されません。
実際のコードで使い方を見ていきましょう。
次にデータ型を指定していきます。
他の生成関数との比較
今回は比較対象として要素が0の配列を生成するnp.zeros
と要素が1の配列を生成するnp.ones
を用います。np.zeros
についての詳細は以下のページで解説しています。
0を要素とする配列を生成するnumpy.zerosの使い方 /features/numpy-zeros.html
では、実行速度の比較をしてみます。
np.empty
の方が、np.zerosよりも3~4倍程度速いことがわかりますね。また、np.ones
との比較では6倍程度の違いがあります。
実行速度が高速なだけでなく、明示的に初期化する必要がないということを他の人がコードを読んだときに理解してもらうためにも、値を初期化する必要がないときはnp.empty
を使うことをおすすめします。